緑内障

緑内障は「あおそこひ」ともいわれ、眼圧が高くなる(眼球が固くなる)病気です。 眼球は正常な代謝を維持するために、一定の固さ(眼圧)を保っております。 障害が起こることにより、房水が眼に溜まって眼球が固くなります。
また、房水が出来過ぎたり、流出が少なくなることにより、圧力が眼の神経や血液のめぐりに与える影響によって、 視神経が徐々に死んでいきます。
一度死んでしまった視神経は回復しません。
進行していくといずれは失明となりますので、治療は進行をくい止めることになります。
眼圧を正常値下げることです。緑内障は、他人に伝染するものではありませんが、 両眼に発病するケースもあるので片方の眼だけ悪い人も油断してはいけません。

●緑内障の種類とその症状

<緑内障には慢性にくる開放隅角緑内障と、急性にくる閉塞隅角緑内障があります。>

慢性にくる開放隅角緑内障は、自覚症状がないため、気が付かない間に発病し、進行する場合が多いです。

  • 眼が疲れやすい。
  • 夜間、光のまわりに色のついた輪がみえる。
  • 時々、眼がかすむ。
  • 視野が狭くなる。

上記、症状が現れた場合は直ちにご相談下さい。
放っておくと進行して、重症になっている場合が多いものです。
中年を過ぎて少しでも眼に異常を感じたときは、早めに専門医の診断を受けて、その治療と養生をしましょう。
40歳過ぎた人の内、100人に2人は緑内障が発見され、しかも自分が緑内障であることを少しも疑ったことのない人達ばかりなのです。
急にくる閉塞隅角緑内障の場合は、突然視力が低下し眼が痛くなったり、充血したり、頭痛を起こしたり、また気分が悪くなって嘔吐したりします。
この様に発作的に症状を起こし、大きな発作の場合は1~2日で失明に至ることもあります。
また軽い発作を繰り返す場合もあります。
大きな発作で吐き気や嘔吐、腹痛を伴った場合は、眼科の病気ではなくて内科の病気と間違えられやすいものです。
すみやかに専門医に診察を受けて治療しないと、神経や血管に悪影響を与えて失明してしまいます。

<診断や検査>

視力、眼圧を必ず測定します。早期診断に欠かせないのが眼底の視神経の観察です。 また精密な視野(見える範囲)測定も必須です。更に隅角といって、房水の流出路を観察します。 これ等の検査でも一回限りでは緑内障かどうか診断がつかない場合がありますので、 緑内障の疑いとして年に1~2度精密な検査が必要となります。

<緑内障の治療>

診断の結果、緑内障であれば眼圧を下げるために色々な点眼薬、内服薬、手術治療を行いますが、 病気の種類と程度によって使い分けをしますから必ず医師の指示に従ってその通りに行って下さい。

  • 点眼薬による場合

1回1回点眼したり5回点眼したり、また濃い薄いがありますので医師の指示を守らないと悪影響を及ぼします。また点眼薬には副作用があります。例えばピロカルピンでは瞳孔(ひとみ)を小さくしたり、時には点眼後30分位の間少し視力が悪くなったり、軽い眼の痛みがおこったり、充血したりすることがあります。β-ブロッカーは喘息や心臓に異常がある場合、使用できない場合があります。

  • 内服薬による場合

一般に点眼薬の補足として内服薬を使用しますが、内服すると手足や口の回りがしびれたり、胃腸が少し悪くなったりすることがあります。服用を止めると元に戻ります。

  • レーザー照射や手術による場合

薬で眼圧を調整することができない場合や、視野狭窄が進行する場合は、房水の新しい出口を作る手術をしなければなりません。レーザー照射は通院で可能です。 レーザーでも効果がなければ入院手術が必要です。

●緑内障の経過観察

診察毎に眼圧を測定と視神経を観察します。視野は通常3ヶ月に1度程測定します。緑内障が進行しているかどうかの判断は視野測定でしか出来ません。
慢性にくる開放隅角緑内障では、先ず点眼薬で治療し眼圧を下げます。点眼薬は何種類もありますので、眼圧が充分下がらなかったら少しずつ点眼薬の種類が増えて行くことになります。全ての点眼薬を使用しても眼圧が充分下がらなければ内服薬を使用します。 しかし内服薬は一生服み続ける訳には行きませんので、眼圧の不充分なコントロールに加えて、もし視野が狭くなっていくのが進行しているなら、手術を考慮することになります。
急性にくる閉塞隅角緑内障では、先ず点滴、内服、点眼薬で速やかに眼圧を下げねばなりません。その後、通常はレーザー照射を行って虹彩に小さな孔を開け眼内の水の流れをスムーズにします。 眼圧が下らない場合は手術が必要となります。眼の症状によってレーザー治療ができない場合があり、この時は最初から手術が必要となります。

●緑内障の種類とその症状

01.
医師の指示通りに点眼して下さい。たかが目薬と思って点眼を怠ると、取り返しのつかないことになります。
02.
眼痛、充血、視力悪化などが起これば、すぐ眼科専門医を訪れること。救急処置としては眼を冷やすこと。
緑内障の発作は冬の寒い時、夏の暑いときによく起こります。
03.
コーヒー、お茶、飲酒を制限し大量の水を飲まないこと。過度の喫煙を控える。
04.
暗い所での作業やパソコンや読書はなるべく控えて映画など長く見ない。
05.
首の周りを圧迫するような窮屈な服装をしないこと。
06.
よく睡眠をとり生活を規則的にして、リラックスして過ごすこと。
緑内障は非常に感情の動揺に影響されやすい病気です。