成人病と目
●加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)
網膜の中心部は黄斑部とよばれ、ものを見るときに働きをします。
黄斑部の働きによって視力を維持し、色の判別を行ったりします。
黄斑部が加齢にともなって異常をきたした状態を加齢黄斑変性といいます。
滲出型と萎縮型に分けられ、萎縮型は組織が痛んで死んでいき、長い間かかって視力が低下していきます。
滲出型は通り水がにじみ出てきて、黄斑に障害が生じて出血することもあります。
黄斑の裏で発生し、血液や分泌液を漏出した場合に現れ、急激な視力悪化の原因となります。
<加齢黄斑変性の症状>
黄斑変性には遺伝性もありますが、ほとんどが後天的におこる加齢黄斑変性です。
中心の部分に見にくい場所があり、物がゆがんで見える状態になります。
進行が遅いうえ、自覚症状があまりなく、見えない範囲が大きくなったり、急に見えなくなって気づくことが多いようです。
<加齢黄斑変性の予防>
高齢者に多く、男性に多くみられる病気です。
喫煙者や血中コレステロールの高い人に多く見られるケースが多いです。
加齢黄斑変性は、若いときからよい生活習慣を身につけることによって、病気の発症を予防できると思われます。
糖尿病と目
日本多くの糖尿病患者がいると言われています。
糖尿病が原因で起こってくる合併症のうち、糖尿病網膜症が失明原因の第一位になるからです。
眼精疲労糖尿病網膜症は、糖尿病にかかってすぐに目にくるわけではありませんが、血糖コントロールをしっかりとすれば糖尿病網膜症が出てくるのを予防することもできます。
初期症状がほとんどないため、自覚症状が現れた場合には手遅れになることもある、非常に恐ろしい糖尿病の合併症です。
<白内障>
白内障のほとんどは老人性白内障ですが、糖尿病がある場合は加齢現象よりも早めに白内障が出てきます。
体内の糖分が増えるために、水晶体に糖分が蓄積し、これが原因で白内障が促進されます。
<血管新生緑内障>
糖尿病網膜症が重症になった場合、網膜の血管が詰まり神経は酸欠状態になります。
酸欠状態が目の前の方にまで波及すると、虹彩や毛様体という場所に新生血管が出てきます。
この新生血管は出血しやすいばかりでなく、隅角という目の中を循環する水の出口を塞いでしまいます。
そのために水は出口を失って眼球の中に閉じこめられ、徐々に眼圧が上がり緑内障が起こります。
失明の危険がとても高い病気です。